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自己破産したいけど生命保険に加入している!解約せずに済む方法、解約返礼金、介入権、再加入などの事情を解説


自己破産すると、生命保険も回収されることがあるって知っていましたか?

自己破産しようと思ったとき、今まで持っているものはどうなるかいろいろ調べますよね。
意外と知られていないのが、この生命保険。

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自己破産時に場合によっては生命保険も財産として認定され、債権者への配分対象となってしまいます。
今回は、そんな生命保険と自己破産について、解約せずに済む方法も含めて、解説していきたいと思います。

生命保険が財産として評価されるケース

はさん先生

生命保険は、ある一定の条件下で財産とされてしまいます。自己破産は、借金をチャラにするかわりに、個人の財産を全て売却して債権者に配分するので、生命保険が財産と評価・認定されてしまうと、当然解約してその財産を売却して債権者に配分されるわけです。では、まずは、どういうときに生命保険が財産として評価・認定されてしまうのかを解説していきたいと思います。

生命保険が財産として評価・認定される基準の結論としては、

  • 20万円以上の「解約返礼金」がある積立型保険

というケースです。
これは、東京地裁(立川支部を含む)での自由財産の拡張基準として実際に運用されている基準です。

生命保険には、

  • 掛け捨て型(定期保険など)
  • 積立型(終身保険、養老保険など)
  • 混合タイプ

の3つのパターンがあります。

従来は積立タイプが多かったのですが、この積立型は途中解約時や満期に保険金が支払われるというものです。
つまり、貯金のように積み立てていって、人生のどこかのタイミングで解約したときや、60歳などの満期に積み立ててきたお金をもらえるというものです。

反対に、最近多いのが掛け捨て型です。
これは、解約時の返戻金がなかったり、満期に貰えるお金がない代わりに、保険の掛け金が安く抑えられるというものです。

混合型は、積立型と掛け捨て型の中間みたいなものです。

ここまでお読みいただいたらおわかりになるかもしれませんが、積立型は、実質的には貯金みたいなものですよね。
だって、途中解約したり満期まで持っていたら、お金が返ってくるのですから。
そうすると、自己破産の際にも、その保険は財産とみなされますよね。

ということで、破産手続き開始決定が下りた時点で、加入している生命保険の解約返戻金(解約時に返ってくるお金)が20万円を超えていたら、原則的にはそれは個人の財産とみなされてしまいます。
なので、自己破産の際には、原則として解約させられて、解約返戻金を債権者に分配することになります。

生命保険を解約せずに済む方法

はさん先生

自己破産の際、解約返礼金が20万円以上ある積立型の生命保険は、原則的には解約させられて、解約返戻金が債権者に分配されることはお分かりいただけたかと思います。なんとなく生命保険金が財産になるというのは納得できるものの、生命保険はいつでも加入できるものではないですし、いざというときのためにもなんとか解約したくないものです。

特に若いころから好条件で生命保険に加入している方や、高齢で自己破産後に生命保険に再加入できるか不安な方もいらっしゃるかと思います。
もちろんそういう事情があることは、自己破産という制度上も想定しており、解約せずに済む方法があります。
ここでは、そんな自己破産時に生命保険を解約しなくてもよい方法を解説していきたいと思います。

解約返戻金を20万円以下にする方法

まずは、そもそも解約返戻金が20万円以上あるから財産として強制解約して債権者に分配されるのであって、解約を避けるなら解約返戻金を20万円以下にすればいいですよね。

「え!?そんな都合よく解約返戻金って上下させられるの??」

って、思うかもしれません。
実はできちゃうんです!

もちろん絶対できるというほどまではいえないのですが、生命保険の貸付制度を利用する方法があります。
保険契約によっては、生命保険会社から、解約返戻金を担保に解約返戻金と同程度の金額までは借金ができることがあります。
それができると、担保貸付を利用して解約返戻金を20万円以下にすることができます。
担保貸付によって解約返戻金が20万円以下になると、自己破産のときにも強制解約されずに、そのまま生命保険に加入し続けられるわけです。

例を挙げてみましょう。
仮に解約返戻金が100万円予定されているとします。
その解約返戻金100万円を担保に、85万円を借ります。
そうすると、解約返戻金は実質15万円ということになるので、自己破産時の債権者への分配対象から外れます。
借り入れた85万円については、99万円以下の現金は自由財産なので、特に没収されるということはありません。

この方法の注意点としては、解約返礼金を担保に借り入れたお金を、決して無駄に使わないでください。
自己破産の際に、自己破産前に不正なお金の流れがないかなども調査されます。
自己破産による解約返戻金の分配を逃れるために、不正に財産を処分したとか疑われるのは避けるべきです。
生活費や、自己破産の際の弁護士費用および裁判所に支払う申し立て費用に与えるのが無難かと思います。

保険法の介入権を利用する方法

次は、保険法で定められた介入権を利用するという方法があります。
介入権というのは、生命保険加入者が自己破産をする際に、生命保険の受取人を保護することを趣旨として設けられた制度です。
介入権という制度でなにができるかというと、自己破産で解約されて債権者に分配されてしまう解約返戻金を、親族が代わりに用意をして支払うことで、生命保険を解約せずに済むというものです。

生命保険は、自分に万が一のことがあったときに、家族に財産を残してあげるという性質もありますよね。
そんなとき、自分が自己破産することで、その生命保険が解約されてしまうと、本来守りたかった家族にも影響があります。
家族としては、解約返戻金相当のお金を用意するので、それでも継続して生命保険をかけておきたいと思うのは、十分に理解できます。
また、若くて健康なころに加入した条件のよい保険金を、解約されてしまうと家族としても困りますよね
そんな社会的な要請から制度が整ったのが、この介入権です。
2010年4月1日に100年ぶりに改定された保険法で認められるようになりました。

自己破産後に生命保険に再加入できるのか?

自己破産時に積立型の保険に加入していて、解約して解約返戻金を債権者に配分された方は、自己破産後にまた再度生命保険に加入することになります。

「なんか一回自己破産してたら、保険も断られそう・・・」

そんな心配ありますよね。
でも、これは正直心配いりません。

同じ金融機関相手の取引とはいえ、別に新しく借金をするわけではないので、加入者の社会的な信用は関係ありません。
むしろ、生命保険の加入者の健康状態の方が重要です。
生命保険の加入者が、自己破産していない人で生命保険に加入しようと同じ基準で、健康状態に問題がない(うつ病を経験していないなど)場合、自己破産完了後(復権後)は問題なく加入できます。

まとめ

今回は、自己破産したいけど生命保険に加入しているという方に、自己破産時に生命保険がどうなるのかを解説してきました。
いろいろ解説してきましたが、

そもそも自己破産時に生命保険を解約させずに済む方法もありますし、自己破産後に再加入もできる

ので、そんなに深刻に考えなくてもよいかと思います。
そうはいいつつ、いろいろなスキームがあるので、まずは自己破産に詳しい弁護士の先生に相談するのがよいかと思います。
ここで解説した方法以外の方法も含めて、自己破産時にどうやって生命保険を守るのかを一緒に考えてくれますよ。

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